Vibroscope - 振動レベル測定&解析ツール
「Vibroscope」は、iPhoneの加速度センサーを使った振動計測・解析ツールです。床、机などに置いての使用や手持ちでも使えるように、端末の方向に関係なく水平、鉛直方向を判定して計測できます。
あなたの周りの迷惑な低周波振動、たとえば、交通振動、工場騒音、フロア振動などの振動レベルがどの程度なのか知りたいことがありませんか?
このアプリは、直接耳で聞こえないような低周波振動を可視化してモニター表示することができます。水平方向を2軸ベクトル表示、鉛直方向を時間軸波形表示でグラフィカルに表示することで、直感的に振動レベル(加速度 : 単位 m/s2)を知ることができます。
さらに、「Vibroscope」は、FFTアナライザーにより低周波振動の周波数成分を解析する機能を搭載しています。振動レベル測定と同時にFFT解析をおこないますので、振動源の特徴を調査することにもご利用いただけます。
また、地震計などの振動加速度表示で使われるガル単位 (Gal) は、「1 Gal = 1 cm/s2」ですので、本アプリの計測表示値を100倍した数値になります。
環境騒音などのサウンドレベル測定(騒音計)が必要な場合には、iPhone用サウンドレベル測定解析アプリ「Sound Level Analyzer」のご利用をお勧めします。
AppStoreTMの「Vibroscope」プロダクトページにアクセスするには、下記リンクをクリックしてください。
「Vibroscope」は、つぎのような特長があります。
本アプリは、つぎのような用途でもお使いいただけます。
# 単位変換について :
振動レベル測定は加速度単位[m/s2]の表示です。他の単位系に変換するには、つぎの換算をおこなってください。
* [ガル表示](Gal) = [測定加速度 m/s2] x 100
* [重力加速度換算表示](G) = [測定加速度 m/s2] / [標準重力加速度 9.80665 m/s2]
「Vibroscope」には、2つのモード(MAIN、FFT)があり、それぞれに対応したモードボタンがあります。 モードボタンをタップすることで、いづれかひとつの動作モードを選択して実行します。
MAINモードは、一般的な振動レベル測定(加速度測定)をおこないます。
スタートボタンをタップすることで、振動レベル測定を開始し、ストップボタンをタップすることで停止します。
スピードボタン(Fast/Slow)で加速度センサーのサンプリング速度を変更し、レンジボタン(+、−)で、表示レンジを切り替えることができます。振動レベル測定は、実効加速度、その最大値(Peak)の測定値[m/s2]を表示します。
上部に水平方向の2軸グラフ表示、下部に鉛直方向の時間軸波形表示をグラフィカルに表示します。"Peak"ボタンをタップすることで、測定値の表示をON/OFFできます。
iPhone端末の姿勢方向に関係なく、水平、鉛直方向を検出して計測できます。2軸グラフ表示では端末の姿勢により、X−Y軸、X−Z軸、Y−Z軸のいずれかの表示になります。(この自動表示には、iPhone端末設定の「画面縦向きのロック」を解除していただく必要があります。)
計測動作中に、"Axis"ボタンをタップするとグラフ表示で軸方向の入れ替えが可能です。"Axis"ボタンをタップするごとに、軸方向が順次入れ替わりますので、表示したい軸方向に合わせてください。この際、"Axis"ボタンは軸方向選択にあわせて、"XYZ"、"XZY"、"ZYX"などと表示されます。なお、対数スケール表示のときには、”Axis"ボタンは表示されません。
瞬間加速度と平均加速度(1秒毎)を切り替えて表示することができます。デフォルトは瞬間加速度です。
<平均加速度の求め方>
瞬間加速度を積分し速度を算出します。2点間の速度の差分をその時間間隔で割ることで平均加速度を下図のように求めています。本アプリでの時間間隔は1秒間としています。
"Log"ボタンをタップすることで、対数スケール表示に変更することができます。リニアスケール表示に戻すには"Linear"ボタンをタップしてください。
微小な振動を検知する表示モードになります。
通常の状態でのご使用では、振動が収束することがないためグラフが安定することはありません。 非常に小さい数値をグラフ化するため、ご使用環境下のノイズや温度による誤差あるいはセンサキャリブレーションの時間変動による影響を受けることがあります。
また、計測途中で端末を移動した場合センサ補正が狂う恐れがあり、加速度値が一定量に収束する場合がありますので、一旦計測を停止し再計測されることをお勧めします。
また、つぎの設定項目は、選択された表示モードによらず、共通に適用されます。
3軸合成加速度がオレンジラインで描画されます。
"SLOW"または"FAST"ボタンをタップすることで、振動レベルを検出する加速度センサーのサンプリング周期を指定します。測定騒音源の種類や発生傾向にあわせて設定してください。計測中はサンプリング周期の切り替えはできません。
なお、サンプリング周期はハードウェア端末やiOSシステムの動作環境などによって影響受けることがあります。
- [FAST] : 100Hz (デフォルト)
- [SLOW] : 40Hz
"+" または "ー" ボタンをタップすることで、振動レベルの表示範囲(レンジ)を指定します。 測定する騒音源の振動レベルの大きさにあわせて設定してください。
- [+] : 表示できるレンジが大きくなります。
- [ー] : 表示できるレンジが小さくなります。
FFTモードは、内蔵したFFTアナライザーで、高速フーリエ変換(FFT)による周波数解析結果を表示します。3軸加速度(X, Y, Z)および3軸合成加速度(COMPO)を入力信号として周波数スペクトラム解析をおこない、リアルタイム表示します。
プレイボタンをタップすることで、FFT解析を開始します。ストップボタンをタップすることで停止します。MAINモードの測定パラメータ設定はそのまま反映されます。
計測動作中に、FFTグラフは3タイプ(Axes, Axis-1, Axis-2)の表示形式から選択できます。"Axis"ボタンをタップすることで表示軸を選択することができます。"Axis"ボタンは軸方向選択にあわせて、"XYZ"、"XZY"、"ZYX"などと表示されます。
MAINモードで、"Peak"ボタンをタップすると、ピーク測定値をON/OFF表示することができます。現在の測定中のピークレベルホールド値を表示します。3軸合成加速度は"C"と表示されます。
"Setting"ボタンをタップすると、各測定モード時に共通設定が表示されます。
測定タイマーの時間設定です。1秒から最大1時間の範囲で測定時間を設定することができます。
- Measurement time : 1秒、5秒、10秒、15秒、30秒、1分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、60分
スタートボタンをタッブしてから、実際の測定開始までの時間を指定できます。最大20秒までの時間設定が可能です。スタートボタンのタップ振動などの影響を回避できます。
- Start delay time : 0 - 20秒
FFTモードでの振動加速度の基準レベル[0dB]をつぎの基準値から選択することができます。
- Reference Level[1] : 1e-6 [m/s2] (デフォルト)
- Reference Level[2] : 1e-5 [m/s2]
操作エリアの"Snap"ボタンをタップすると、測定画像のスクリーンショット(カメラロール・キャプチャ)をおこなうことができます。PNGフォーマットで保存されます。MAINモード、FFTモードのいづれのモードでも可能です。「Vibroscope Lite」にはこの機能はありません。
さらに、保存画像には、タイムスタンプ(日時データ)の表示画像情報が付加されます。なお、初回保存時に、「写真」へのアクセス許可の確認がiOSシステムより求められます。必ず、アクセス許可してください。
測定データと時間情報は、ログファイル (テキスト形式)として保存されます。
iPhoneファイル共有機能でログファイルを外部出力して、オフラインで解析することが可能です。
なお、端末性能や搭載センサーに依存して、サンプリングレート設定どおりのログデータが出力されないことがあります。
ログデータはテキストデータでつぎのようなデータフォーマットで出力されます。
ログデータは、iTunesファイル共有(iTunes File Sharing)機能を使用してiOSデバイスからMacまたはPCに転送することができます。macOS Catalina 以降では、Finderを使って、iOSデバイスとMacとの間でファイルを共有できます。
iPhoneとPC/iTunesとのファイル共有については、つぎのAppleサポートサイトをご参照ください。
"Setting"をタップすると、製品情報と機能説明を表示します。機能説明は上下方向にスクロール表示することができます。
・端末を縦方向にした状態:2軸グラフ X-Z, 時間軸 Y
・端末を横方向にした状態:2軸グラフ Y-Z, 時間軸 X
・端末液晶面を天に向けた状態:2軸グラフ X-Y, 時間軸 Z
このアプリに関して、ご感想、ご要望などのレビューをお待ちしています。当社の製品開発の参考にさせていただきます。また、皆様のレビュー評価は開発者の励みになります。ご協力をお願い申し上げます。