Magnetscape - 磁気レベル測定・解析ツール
「Magnetscape」は、iPhone内蔵の磁気センサを使用し、目に見えない磁界を観測するアプリです。
われわれの身の回りにはさまざまな磁界があります。たとえば、大型のモーターやコンプレッサー、また金属が近くにあるだけでも磁界は変動します。何もないような場所でも地磁気 (地球の磁場) が存在し、その影響をうけています。
「Magnetscape」は周囲の磁界をリアルタイムにモニターすることができ、実生活で様々な用途にご利用いただけます。例えば、静磁界の調査、交流磁場 (電磁場) での低電磁場の探索、金属探知などに利用可能です。
最新バージョンで、iOS18.1に対応し、UIデザインの刷新、内部処理の最適化と安定性の向上を図りました。
App StoreTMの「Magnetscape」プロダクトページにアクセスするには、下記リンクをクリックしてください。
- x軸: (画面に向かって右方向)の磁界の強度(Bx)
- y軸: (画面に向かって上方向)の磁界の強度(By)
- z軸: (画面の垂直上方向)の磁界の強度(Bz)
- 合成磁束密度: x軸、y軸、z軸の3成分をすべて考慮した磁界の強度(Bcomp)
- サンプリング周波数: 32Hz
- 観測値の単位: uT
磁界(磁場)は磁気の力が働いている空間のことで、ベクトル量のために強さと方向があります。例えば、永久磁石にはN極とS極があり、異なる極性のものは引き合い、同じ極性のものは反発しあうような磁気の力が空間に働きます。
さらに、直流磁界(静磁界)は強さが一定に保持されているような磁界で、地磁気や永久磁石などがあります。交流磁界は磁界の強さが周期的に変化する場合の磁界で、送電線やトランス(変圧器)や電気機器の近くで発生します。このような磁界と電界は密接な関係にあり、低い周波数領域では電磁界、高い周波数領域では電磁波とも呼ばれています。 また、高い電圧や高周波数の電流の流れるところでは、その周囲に強い磁界が現れます。
磁界や電磁波は、直接目にはみえないため、様々な現象や問題が見逃されています。とくに、電子機器からでる電磁波などは様々な身体的、物理的な影響があるケースもあります。
本アプリは、このような磁界を検出するための計測ツールで、磁界の強度や方向、磁界強度の時間変化、3軸合成磁界の周波数分析(FFT解析)などを測定表示することが可能です。
本アプリを正常に動作させるためには、以下のiOSシステムに関わる初期設定を必ずおこなう必要があります。
スナップショットによる写真データ保存をはじめておこなう時に、iOSシステムより「写真」ライブラリへのアクセス承認が求められます。この際、必ず、「写真」へのアクセスを許可にしていただく必要があります。
もし、不許可にされた場合には、プライバシー制限により、「写真」への画像データ保存ができません。アクセスエラーが表示されます。この場合、iOSの基本設定(「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「写真」)で、このアプリからのアクセスを許可していただくことで、利用可能になります。
iPhone内蔵の磁気センサから3次元の磁気データを取得して信号処理をおこない、周辺環境の磁界を計測解析します。
(1) 利用方法の確認
初期起動時には、Infoビューが表示されます。使用上の注意、機能説明が表示されますので、ご確認の上、本アプリをご利用ください。Closeボタンをタップすることで、トップビューの測定画面にもどります。
(2) 測定操作
本アプリは3種類の測定モードを持っています。スコープ(Scope)、時間グラフ(Time)、周波数解析(FFT)のいづれかを選択できます。デフォルトはスコープ(Scope)で、測定動作中にも測定モードを切り替え可能です。
スタートボタンをタップすると、それぞれのモードで磁界測定を開始し、ストップボタンをタップすると停止します。
(3) 測定時間、および、警告(アラート)
測定開始から3分で自動停止します。
磁界測定中に表示数値が300uTを超えると、スコープ(Scope)画面で警告(Alert)を表示します。測定は継続しますが、長時間強い磁界を与えると磁気センサが狂う恐れがあります。
また、Soundスイッチを”On”にすると、アラート音を生成します。アラート音は磁界の強度レベルに応じて変化します。スタート時は必ず”Off”になります。音量はiPhone本体のハードウェアボリュームで調整してください。
本アプリの磁界観測は、端末姿勢にしたがって次のようにデータ収集され、計測表示されます。
- x軸: (画面に向かって右方向)の磁界の強度(Bx)
- y軸: (画面に向かって上方向)の磁界の強度(By)
- z軸: (画面の垂直上方向)の磁界の強度(Bz)
- 合成磁束密度: x軸、y軸、z軸の3成分をすべて考慮した磁界の強度(Bcomp)
- サンプリング周波数: 32Hz
- 観測値の単位: uT
スコープ(Scope)では、磁界の強度(単位:uT)を数値表示するとともに、磁界の大きさと方向がわかるようなグラフィック表示(レベル円)をおこないます。
”レベル円”の表示位置は、磁力源の極性に合わせて移動しますが、極性が地磁気と同じ方向であればN極の方に吸い寄せられ、逆に極性が反対(S極)であれば遠ざかります。近くに金属や磁界を発生させるものが無ければ、”レベル円”は地磁気(N極)の方向(北方向)にずれて表示されます。
また、Angleボタンをタップすると、磁界の角度表示を有効にすることができます。
Scope画面の中心をタップすると、現在の時刻をアナログ時計で表示することができます。再度、タップすると表示は消えます。
磁気センサからのRAWデータ(未加工データ)とセンサ内補正後データの時間推移を表示します。 3次元空間における各軸値(Bx/By/Bz)、および、合成磁束密度(Bcomp)の時間グラフです。縦軸に強度、横軸に時間でリアルタイムに更新表示されます。最大180秒分をスクロール表示できます。
- 上部グラフ : Raw magnetic-field (uT) - RAWデータ(センサデータ)
- 下部グラフ : Calibrated magnetic-field (uT) - センサ内補正後データ
変動する磁場に対してFFTによる周波数解析を行います。合成磁束密度のFFT解析結果をグラフ表示します。
FFTモードでの計測中に、Holdボタンをタップすることで、FFTグラフのピークレベルをホールド表示します。各周波数成分の最大値を観測できます。
なお、各周波数成分の信号強度は地磁気全磁力を基準として算出されます。地磁気補正のために、お住まいの地磁気全磁力を45±15(uT)の範囲で設定してください。Info画面で、この地磁気全磁力(Geomagnetic total intensity)を設定することができます。
- 横軸:周波数 1 - 16Hz (0.5Hz)
- 縦軸:dB値 (基準値デフォルト45μTに対する比率。基準値は45±15μT/1μT単位で設定可能)
Snapボタンをタップすると、測定画像のスクリーンショット(写真への保存)をおこなうことができます。 なお、初回保存時に、「写真」へのアクセス許可の確認がiOSシステムより求められます。必ず、アクセス許可してください。
Infoボタンをタップすると、製品情報を表示します。使用方法説明はスクロールしてご覧いただけます。測定画面に戻るには、Closeボタンをタップしてください。
このアプリに関して、ご感想、ご要望などのレビューをお待ちしています。当社の製品開発の参考にさせていただきます。また、皆様のレビュー評価は開発者の励みになります。ご協力をお願い申し上げます。